犬の認知症は、人間よりも判断が難しいと言われています。
その理由として、高齢犬になるにつれて、認知症に関係なく、脳が小さくなるからです。
つまり、犬の行動などの変化が、加齢による変化なのか、認知症による変化なのか判断しづらいのです。
しかし、認知機能が低下すると、次のような問題行動を起こすことがわかってきました。
見当識障害
見当識とは、自分が置かれている状況を認識する能力です。
人間なら、今日は何日か、今自分がどこにいるか、話している相手は誰なのか、などが正確に認識できなくなる障害のことです。
認知症の犬の場合は、次のような症状がみられます。
・よく知っている場所で迷子になる(家の中でも起こる)。
・よく知っている人を認識できない。
・家の内外で自分がどこにいるかわからない。
・ドアが開く方向とは逆の方向(ちょうつがい側)に行く。
・落ち着きなく歩きまわる。
・障害物を避けられない。
睡眠障害
昼間に寝ていることが多くなり、夜間の眠りが少なくなります。
また、夜中に徘徊することがあります。
コミュニケーションがとれない
撫でられても無反応になり、遊ぶことへの興味が薄れます。
また、お手などのコマンドに反応しなくなります。
慣れ親しんだ人に攻撃的になることもあります。
粗相が増える
トイレでない場所で排泄したり、失禁の回数が増えます。
活動意欲の低下
・何事にも無関心な様子を示す。
・何もないところをじっと見つめる。
・過度に舐め続ける。
・目的もなくうろつく。
・食欲が低下する。