ドライアイ(乾性角結膜炎)は、涙が少ないため目が乾いて、結膜炎等を起こす病気です。
ドライアイの原因
1.免疫介在性疾患
2.全身性疾患
3.神経性障害
4.慢性眼瞼(がんけん)結膜炎
犬のドライアイの多くは、1.の免疫介在性疾患です。
※免疫介在性疾患:免疫システムの異常で、免疫細胞が自己の涙腺の細胞を非自己(異物)と間違って認識してしまい、自分の涙腺細胞を破壊してしまうことによって、涙の分泌量が減少する疾患。
注意)これからお薬の話に入っていきますが、獣医師の診察を受け、診断が「免疫介在性疾患」であることを前提とします。
また、獣医師の指導のもと処置をしています。
ドライアイの症状
1.眼球に潤いがなく、乾燥している。
2.黄色いねばっとした目ヤニが出る。
3.白眼、上下まぶたの内側が充血している。
ドライアイの薬
1.目ヤニが気になりだしたら「人工涙液型点眼剤ソフトサンティア」
まず、ソフトサンティアで目ヤニを洗い流すように除去し、瞼周辺を綺麗にします。
次に、ソフトサンティアを1、2滴点眼します。
点眼は、2、3時間おきにします。
ソフトサンティアは、猫にも使用できます。
参考
http://mizuing.net/blog/archives/186
2.目ヤニの乾燥したものが瞼にこびりつきだしたら「ヒアルロン酸ナトリウム」
ソフトサンティアで綺麗にし、1、2滴点眼します。
ソフトサンティアで目が潤ったら、それを保湿するために1、2分後、ヒアルロン酸ナトリウムを点眼します。
「ヒアルロン酸ナトリウム」を主成分とする目薬
ヒアレイン点眼液0.1%、ヒアロンサン点眼液0.1%、ヒアール点眼液0.1% など
獣医師の処方箋が必要です。猫にも使用できます。
注意したい副作用: 過敏症状
(『最新版 獣医からもらった薬がわかる本』世界文化社より)
※ヒアルロン酸ナトリウムは、必ず要るものではありません。また、目を洗浄するときにソフトサンティアではなく、精製水(ドラッグストアで100円前後で売られている)でもかまいません。免疫介在性疾患による目ヤニがひどい場合は、ヒアルロン酸ナトリウムをとばして3.へ進んでください。
参考
http://mizuing.net/blog/archives/59
3.目ヤニがひどい場合は「シクロスポリン」
ソフトサンティア(または精製水)で綺麗にし、ソフトサンティアを1、2滴点眼します。
1、2分後、シクロスポリンを12時間おきに1~2cm投与します。
その間、目ヤニや目の乾燥がみられたら、ソフトサンティアを点眼します。
シクロスポリンを主成分とする軟膏等は、獣医師の処方箋が必要です。猫には使用できません。
症状の改善には、約6週間の投与が必要です。
約6週間投与を続け、一旦投与を止めます。
改善されているようでしたら、こまめにソフトサンティアを点眼します。
改善されなかったら、獣医師に相談を。
免疫介在性疾患のドライアイなら、6週間後も軟膏を続けて投与してもよいとのことです。
注意したい副作用: 羞明(しゅうめい)、目をこする、眼瞼(がんけん)内反応
(『最新版 獣医からもらった薬がわかる本』世界文化社より)
※羞明 :光をまぶしそうにする
※眼瞼内反応: まぶたの内側の炎症など
「シクロスポリン」を主成分とする眼軟膏
オプティミューン眼軟膏、ヴィジョケア
ヴィジョケの箱の方が、オプティミューン眼軟膏の箱より小さいですが、容量は同じです。
参考
http://mizuing.net/blog/archives/9
うちの愛犬には、「オプティミューン」のジェネリックである「ヴィジョケア」を(安いので)使用しています。
1週間ほどで改善がみられました。
点眼・投与を少々さぼっても大丈夫、ドライアイとは、長い付き合いですから。
目が潤って、目がキラキラしている愛犬は、なんてかわいいのでしょう!
「オプティミューン」は、日本では、獣医師の処方薬ですが、海外版の正規品を個人輸入できます。また、「オプティミューン」のジェネリックである「ヴィジョケア」は、下記代理店なら正規品を格安で購入できます。
追記
シクロスポリンを主成分とする点眼薬があります。
「オプティミューン」と「ヴィジョケア」が、シクロスポリンを0.2%含有しているのに対し、「シクロミューン」には0.05%だけ含まれています。
軽い免疫介在性疾患のドライアイ(慢性乾性角結膜炎)にはいいと思います。
「オプティミューン」と「ヴィジョケア」と同じく、12時間おきに投薬します。約5分後に他の点眼薬を使用してもかまいません。
ご購入はこちらから
シクロミューン0.05%点眼液(Cyclomune)
関連記事
http://mizuing.net/blog/archives/237