「犬は人間の表情がわかり、人間の心を見破ることができる」に関する研究や意見は、以下の３氏によってなされています。
（１）ウィーン獣医大学（オーストリア）の研究者らによって、犬が人間の喜びの表情と怒りの表情とを区別できることを明らかにされました。
それは、飼い主以外の人であっても「２つの表情に異なる意味を見出せる」そうです。ただ、犬が人間の感情までも理解しているというわけではないということです。
（２）しかし、一方で、タフツ大学（アメリカ）のニコラス・ドッドマン教授は、「犬は人間のボディランゲージ、眼、瞳孔の大きさを読み取っている。表情を読み取れるというのは驚くべきことではない」と述べています。
（３）また、京都大学大学院心理学研究室の非常勤講師・高岡祥子氏は、「人間が犬をだまそうとすると犬にはそれがわかる」という研究結果を発表しています。
実験によると、人間が犬をだまそうとすると、犬はそれに気付いてその人をあまり信頼しすぎてはいけないと学ぶそうです。
結論は次の３点です。
・犬は、人間の指差しジェスチャーをよく理解する。
・犬は、指示を出す人間を信頼できるかどうかについても推測する。
・犬は、推測に応じて柔軟に行動を変える。
愛犬がお気に入りのおもちゃを探しているときに、私が「あっち」と言って指を差すと、そちらの方向へ行きます。
ここで、おもちゃがないのに指を差すことを繰り返す、つまり、だますことを繰り返していると、その内、愛犬に信頼されなくなるということですね。
「褒めるときは目一杯うれしそうな顔をして、叱るときは真剣な顔をする。」「遊びや冗談でうその指差し指示をしない。」ということに気をつけないと、人から見るとわがままな犬になってしまうかも知れませんね。
記事元
犬に笑顔を向けていますか ―犬は人間の表情がわかる
犬は、自分をだまそうとする人の心を見破ることができる
