「愛犬・愛猫にレモンを食べさせてもよかったっけ?」と思ったきっかけは、最近、次の動画が話題になったからです。
今日の時点で再生回数が、2015/03/09に公開されて以来、170万回を超えています。
音声と広告が入っています。
ゴールデン・レトリバーが、酸っぱいとわかっていながらも、何度も舐めて悶絶寸前になっているように見える動画です。
同じような動画が、Youtube にアップされていて、見てる方も酸っぱくなりそうです。
ちょっと、待った-! 「愛犬・愛猫にレモンを食べさせてもよかったっけ?」
ということで、調べてみました。
「ソラレン」が原因で嘔吐・下痢をする可能性がある
レモンやグレープフルーツなどの「柑橘類は、外皮の部分に嘔吐・下痢の原因となる中毒成分があります。」と書かれている雑誌があります(『いぬのきもち』2012 SEP vol.124)。
この中毒成分とは、「ソラレン(プソラレン)」と呼ばれる物質だと思われます。
ソラレンは光によって活性化し、紫外線吸収率を高める性質があり、シミ、ソバカスの原因となる物質です。
「油胞」も嘔吐・下痢の原因か
柑橘類の皮の表面にはブツブツのへこみがありますが、これを油胞(ゆほう)と言います。この中には、「リモネン」という精油成分(エッセンシャルオイル)を豊富に含んでいます。
このリモネンは、油性の汚れを落とすことができるので、台所洗剤の成分などにも利用されています。
洗剤に使われているのですから、食べても大丈夫とは言えないのではないでしょうか。
因みに、テーブルなどに付いた油性マジックの跡は、柑橘類の皮で消すことができます。
結論
レモンやグレープフルーツなどの柑橘類の皮(外皮)ごと愛犬・愛猫に食べさせると、嘔吐や下痢を起こす可能性がある。
中毒性がなくても、固い皮を食べると消化不良を起こし、嘔吐もしくは下痢を起こしますよね。
じゃー、レモンの果肉だけ
少量なら大丈夫でしょうが、愛犬・愛猫が「酸っぱいワン!」「酸っぱいニャン!」と言って、悶絶している姿を見て楽しいかなぁ。
犬や猫は自分でビタミンCを合成する機能があります。健康な犬・猫なら外から取り入れる必要はありません。
ただし、体重が7kg以上の大型犬は、健康に関係なく外から取り入れる必要があるという最近の研究があります。
次の動画は、舐めているわけでないのに、「レモンと戦っている」動画です。
音声が入っています。
以前に、レモンの酸っぱさを経験したので、避けようとしているともとれますが、酸味の臭いから、レモンを腐っている食べ物としてみているのかも知れません。
食べ物は時間とともに酸化し、腐っていきます。その度合いを動物は酸味で判断するのですが、相当腐っていても生きるために食べてきました。
飼い犬・猫となった今では、その必要がありませんが、本能から最初の動画も腐りの度合いを確認しているのかも知れませんね。