猫エイズの正しい知識と対処法

猫エイズに感染したというと、触りたくないとか、人間にも移るのではないいかと思う人もおられると思います。
 
飼い猫が猫エイズに感染したからといって、捨てたりせず、正しい知識をもって対応して欲しいと思います。
 
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猫エイズとは

猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症 FIV)は、感染すると免疫力が低下する病気で、現在、完治する治療法はありません。
 
免疫力が低下することで、様々な病気にかかりやすくなり、発症すれば死に至る病気です。
 
しかし、的確な対処をすれば発症を遅らせ、寿命を延ばす可能性が高まります。
 
 

人にはうつらない

東京猫医療センターの服部幸院長は、「猫から人や他の動物にうつることはない。感染した猫が長生きできないわけではない。感染イコール安楽死と安易に判断しないで」と強調しています。
 
遺伝子的には人間のエイズウイルスと同じ仲間ですが、猫エイズは、人には感染しません。
 
 

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猫エイズの感染源

猫エイズのウイルスの感染力は弱く、空気感染などはしません。猫エイズに感染している猫との直接的な接触によってのみうつります。
 
ウイルスは、感染猫の血液や唾液中に存在します。しかし、感染力が弱いので、日常生活における猫同士のグルーミングなどの接触では感染しにくいといわれています。
 
感染の原因となるのは「圧倒的にケンカによるかみ傷」です。そのため、メスよりもオス、子猫よりも成猫の方が感染率が高いそうです。
 
猫感染症研究会による2008年の全国調査では、外出する猫1770匹のうち、猫エイズ陽性率は23%です。
 
室内飼いでも、外に出したり、脱走した経験のある猫は注意が必要です。感染の有無は血液検査によってわかりますが、「検査で陽性反応が出るまでには、感染から最大60日かかる」そうです。
 
 

予防するワクチンはあるの?

フェロバックスFIV」というワクチンがありますが、全てのタイプのウイルス(遺伝子構造の違いにより数種類存在する)には対応できず、また、アナフィラキシー反応などの副作用が懸念されています。
 
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※アナフィラキシー反応:虚脱、貧血、血圧低下、呼吸速拍、呼吸困難、体温低下、体温低下、流涎(りゅうぜん、よだれを流すこと)、震え、痙攣(けいれん)
 
一旦、販売中止になっていましたが、再販売されています(2015年現)。
 
初年度は2~3週間おきに3回接種、2年目からは年1回の接種が必要です。
 
費用は、1回4,000円~6,000円ほどです。
 
 

ワクチン以外の予防

室内飼いを徹底し、脱走防止として去勢・避妊が効果的です。
 
 

野良猫を迎え入れるとき

病院で感染症等の病気を持っていないか検診してもらいましょう。
 
先住猫がいる場合、拾った猫の感染症の有無が確認されるまで、2ヶ月は隔離することが望ましいそうです。
 
 

猫エイズ感染してしまったら

感染しても、発症しない猫もいます。感染から発症まで2~4年というデータもあります。
 
発症すると免疫力が低下し、口内炎や鼻水、下痢、貧血、腫瘍など、さまざまな症状を招き弱っていきます。
 
食事や温度などを適切に管理し、ストレスのない環境を保つことが大切です。
 

 
 
 

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