愛犬のドライアイ 洗眼にホウ酸水ってだいじょうぶ?

愛犬の目のほこりや目ヤニを取るために、ホウ酸水を作って、洗浄している方がおられます。
 
ホウ酸は、眼科用剤(第3類医薬品)として、薬局で売られています。
 

 
このホウ酸2gを100mLの水(ぬるま湯)で溶かせば、2%のホウ酸水のできあがりです。
 
しかし・・・
 
愛犬の洗眼 ホウ酸水ってだいじょうぶ?
ホウ酸は、防腐剤として(人の)食品に添加されていましたが、その毒性が認識されるようになり、現在は禁止されています。
 
このことから、(人の)眼科では、目の洗浄剤としてホウ酸水が使われていた時期がありましたが、現在は生理食塩液(水)が一般的に使われているようです。
 
なのに、眼科用剤の医薬品として、ホウ酸は薬局で売られているのが不思議です。
 
目薬の中にも、微量のホウ酸が添加されているものが多くあります。
 
しかし、この場合のホウ酸の役割は、緩衝剤です。
※緩衝剤(かんしょうざい):薬物の安定性や角膜透過性を向上させたり、薬物や他の添加物の分解などによる経時的なpH変動を防止するために用います。
 
参考
眼科用剤協会「医療用点眼剤の製剤設計・製造」
 
犬の鼻は目の涙腺と涙管によってつながっており、微量の涙で鼻を湿らせています。当然、体の構造上、あるいは鼻を舐めたりして、体内にも涙(分泌物)は取り込まれます。
 
体内に吸収されたホウ酸は、24時間以内に約50%が排出されます。
 
しかし、長期吸収すれば蓄積され、中毒症状を起こす可能性があります。
 
犬が、ゴキブリを駆除するためのホウ酸ダンゴを食べて中毒症状(嘔吐、よだれ、下痢、痙攣)を起こしたという報告もあります。
 
結論
中毒だけでなく、使用する水の衛生状態、容器の殺菌、保存方法などを考えると、目の洗浄にホウ酸水を常用するのは、問題があると思われます。
 
傷などの殺菌用として使用するのも問題がありそうです。
 
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