愛犬のアトピー性皮膚炎の新しい治療薬「アポキル錠/アポクエル」

160920
 
犬のアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎の治療薬として、アメリカでは「アポクエル」という薬が使われます。
 
即効性があって、副作用が少ないというのが特徴です。
 
日本でこの薬が2016年9月18日に承認され、「アポキル錠」という名前で、ゾエティス・ジャパン株式会社より発売されることになりました。
 
既に、日本の動物病院でも処方されるようになっています。
 
 
愛犬が、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎にかかると、飼い主として見ていられないのが、足でかゆいところを掻く行為。
 
カイカイカイカイ・・・
  
皮膚病を起こしていない部分をかゆがるのが特徴で、かいたり舐めたりした部分の毛が薄くなり、赤色または黒色に変色します。
 
その部分が細菌に感染すると「膿皮症」を起こしたりします。
 
※膿皮症:ブドウ球菌などの細菌によって生じる化膿性の皮膚炎。
 
四六時中かいたり舐めたりすることがありますので、室内で飼っている場合は、飼い主も夜眠れません。
 
皮膚病用のシャンプーで清潔に、アレルギーなら原因となっているものを特定し取り去る、ドッグフードを変える、と言われても、とりあえずカイカイを止めたいですよね。
 
カイカイさえ止まれば、落ち着いてシャンプーなどについて考えることができます。
 
 
「アポクエル」を使っている飼い主さんのレビューを見ると、
 
「アトピーまではいかないが寝ていても痒くてよくかいていたのですが投与数日ですがかく回数が極端に少なくなっています。(うさパラより)」
 
といった書き込みが多くみられます。
 
 
日本の動物病院で処方される「アポキル錠」と同成分の「アポクエル」を半額以下で、個人輸入できます。
 
体重別に3種類あります。
 
「アポクエル3.6mg」「アポクエル5.4mg」「アポクエル16mg」
 
犬の体重1kg当たり0.4~0.6mgを、1日2回、最大14日間、経口投与します。
 
その後は1日1回とします。投与の際、食事の有り無しは問いません。
 
ポンドをキログラムに換算してあるので少し細かいですが、参考にしてください。
 
体重約3.0~4.5kg :アポクエル3.6mgを1/2錠
体重約4.5~6.7kg :アポクエル5.4mgを1/2錠
体重約6.8~9.0kg :アポクエル3.6mgを1錠
体重約9.0~20.3kg :アポクエル16mgを1/2錠
体重約20.3~24.4kg :アポクエル3.6mgを1/2錠+アポクエル16mgを1/2錠
体重約24.4~27.1kg :アポクエル5.4mgを1/2錠+アポクエル16mgを1/2錠
体重約27.1~40.7kg :アポクエル16mgを1錠
体重約40.7~58.9kg :アポクエル16mgを1錠と1/2錠
体重約58.9~79.7kg :アポクエル16mgを2錠
 
この記事は、動物病院で「アポキル錠」を処方された方向けに書いています。
 
「アポキル錠」を出されて、「また来週来て下さい。」と言われているのに行かないで、「アポクエル」を個人輸入して愛犬に飲ませるのは、気が引けるかもしれません。
 
でも、何ヵ月も病院に通わなくてはならないということを考えると、出費がお財布にひびきます。
 
「アポキル錠」以外の薬も出されているのなら、「アポキル錠」は他(友だちや親戚)で頂いてありますのでそれ以外をお願いします、とか言えばいいのです。
 
私はよくこの手を使います(笑)。
 
アポキル錠/アポクエル(Apoquel)3.6mg
アポキル錠/アポクエル(Apoquel)5.4mg
アポキル錠/アポクエル(Apoquel)16mg
 
  

使用上の注意
(基本的事項)
1.守らなければならないこと
(一般的注意)
・本剤は、要指示医薬品であるので獣医師等の処方箋・指示により使用すること。
・本剤は、効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。
・本剤は、定められた用法・用量を厳守すること。
(取扱い及び廃棄のための注意)
・小児の手の届かないところに保管すること。
・本剤を分割投与する場合は、開封後3日以内に使用すること。
・本剤を廃棄する際は、環境や水系を汚染しないように注意し、地方公共団体条例等に従い処分すること。
・使用済みの容器は、地方公共団体条例等に従い処分すること。
 
2.使用に際して気を付けること
(使用者に対する注意)
・本剤を投与した後は手を洗うこと。
・誤って薬剤を飲み込んだ場合は、直ちに医師の診察を受けること。
 
(犬に関する注意)
・本剤の投与により、一時的な嘔吐及び下痢がみられることがある。
・副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。
 
(専門的事項)
①対象動物の使用制限等
・次の動物には投与しないこと。
 
・12ヵ月齢未満の犬[12ヵ月齢未満の犬に対する安全性は確立されていない]
 
・体重3.0kg未満の犬[用量が過剰となる]
 
・交配予定の犬及び妊娠・授乳中の犬[交配予定及び妊娠・授乳中の犬に対する安全性は確立されていない]
 
・副腎皮質機能亢進症等の免疫抑制又は進行性悪性腫瘍の疑いのある犬[免疫抑制作用があるため、症状を悪化させるおそれがある]
 
・重篤な感染症がある犬[免疫抑制作用があるため、症状を悪化させるおそれがある]
 
②重要な基本的注意
・本剤は免疫系を抑制するので、個々の症例における治療上のリスクとベネフィットを考慮した上で慎重に投与すること。
 
本剤は感染症に対する感受性を高め、腫瘍(潜在性の腫瘍を含む)を悪化させる可能性があるため、慎重に投与し、継続的に観察すること。
 
・本剤の投与開始前に細菌、真菌(皮膚糸状菌、マラセチア等)又は寄生虫(ノミ、ヒゼンダニ等)感染等について検査し、適切な治療を行うこと。
 
・本剤を長期的に投与する場合は、定期的に血液学的及び血液生化学的検査を実施することが望ましい。
 
③相互作用
併用注意(併用に注意すること)
・免疫抑制作用を有する薬剤、ステロイド系抗炎症薬、シクロスポリン等
本剤及びこれらの薬剤の副作用のリスクを増加させる可能性がある。
本剤及びこれらの薬剤はいずれも免疫抑制作用があるため、併用により作用が増強される可能性がある。
 
・薬物代謝酵素やトランスポーターを阻害する薬剤
本剤の作用を増強又は減弱させる可能性がある。
これらの薬剤が本剤の薬物動態に影響を及ぼし、本剤の血中濃度が変化する可能性がある。
 
④その他の注意
・対象動物安全性試験(1日2回42日間の投与後、1日1回140日間投与)において、本剤投与との関連が考えられる臨床的所見として趾間のう胞及び乳頭腫、病理組織学的所見としてリンパ系組織(脾臓、頸部及び腸膜間リンパ節)、胸骨及び大腿骨骨髄の低細胞性、並びに肺間質でのリンパ球及びマクロファージの集積巣が認められた。
 
・対象動物安全性試験(1日2回42日間の投与後、1日1回140日間投与)において、ヘモグロビン及びヘマトクリットの有意ではない減少が5倍量群で認められた。また、網状赤血球の有意な減少が常用量群、3及び5倍量群で認められたが、投与期間中に回復した。
 
・対象動物安全性試験(1日2回42日間の投与後、1日1回140日間投与)において、対照群を含む全群でアミラーゼの上昇が認められたが、関連する臨床症状・病理組織学的変化は認められず、原因は不明であった。3及び5倍量群では有意な上昇であったが、常用量群では有意ではなかった。
 
・16週齢のワクチン未接種幼若犬に、本剤の3倍量を1日2回、84日間経口投与した試験において、試験0日から本剤投与を開始し、試験28及び56日に生ワクチン(犬ジステンパーウイルス、犬パルボウイルス及び犬パラインフルエンザウイルス)を、試験56日に不活化ワクチン(狂犬病ウイルス)をそれぞれ投与したとき、本剤投与群8頭中2頭が、犬パラインフルエンザウイルスに対して基準に適合する抗体価を示さず、適切な免疫応答が誘導されなかった。用法用量に従った本剤の投与期間中のワクチン投与において、本所見が発現するかどうかは確認されていない。本剤投与期間中にパラインフルエンザウイルスワクチンの接種は極力避けること。やむを得ず接種する場合は、ワクチン接種前後のペア血清を用いた中和抗体の検査等でワクチンテイクを確認すること。
 
・国外臨床試験において、食欲減退、元気消失及び皮膚炎(塊状病変、足底皮膚炎、小膿疱及び化膿性病巣等を含む)が認められている。
動物医薬品検査所(農林水産省)より

 
 
 
 

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