愛犬や愛猫の咳やくしゃみが止まらないと心配ですよね。
年末年始にかけては、動物病院が休診日となります。
心配のあまり、「人間用の市販薬を飲ませようか」と考える方もおられるかも知れませんが、愛犬・愛猫が飲むと致命的になる場合があります。
動物虐待防止などを目的とした世界最大の団体、ASCPA®(「ペットの犬猫に致命傷を与える物質トップ10」のうち、人間用の感冒・鎮痛薬に含まれる幾つかの成分に注意喚起しています。
以下、ニュースサイト「ガジェット通信」からの引用です。
アセトアミノフェン(Acetaminophen)
解熱剤、鎮痛剤の成分としては代表的なもので胃が荒れることもほぼありませんが、ペットへの有害性において、犬で5位、猫で8位にランクインしています。
「良かれ」と思って、ペットに与える飼い主もいるようですが、大人1錠分(325~500mg程度)で、犬・猫には十分な致死量です。
※ 日本のドラッグストアで買える具体例としては、ジョンソン&ジョンソン『タイレノールA』、アラクス『ノーシン』シリーズ、小林製薬『ハッキリエースa』、佐藤製薬『リングルアイビー』など。
イブプロフェン(ibuprofen)
ステロイドを含まない抗炎症薬全般を指す非ステロイド性抗生炎症薬(NSAIDs、エヌセイズ)と呼ばれる成分のひとつ。鎮痛・解熱効果があります。
ペットへは、飼い主から与えられたり、チューブタイプのものなどをペット自ら誤飲してしまうこともあるようです。有害性では、犬で1位、猫で7位ですが、猫はイブプロフェンに対して 犬の約2倍、敏感性があります。
摂取すると、嘔吐や下痢、潰瘍などの胃腸の不調を見せますので、すぐに胃洗浄をし、獣医師に見せましょう。
※ 日本での具体例としては、エスエス製薬『イブ』シリーズ、ライオン『バファリン』シリーズ、アラクス『ノーシンピュア』、佐藤製薬『リングルアイビー』など。
エフェドリン(ephedrine)
交換神経を興奮状態にすることで気管支を拡張したり、低血圧を防ぐ有効成分です。ただ、エフェドリンの一種である“プソイドエフェドリン”(pseudoephedrine)は、覚醒剤の一種である”メタンフェタミン”(methamphetamine)や、”アンフェタミン”(amphetamine)の精製に欠かせない成分で、アメリカでは『キッチン・ラボ』と呼ばれる個人での覚醒剤密造目的の市販薬購入が問題視されてきました。
しかし実際には、ほとんどの感冒剤にこのプソイドエフェドリンが入っているそうです(日本では、効きがマイルドな”塩酸メチルエフェドリン”が主流)。
犬への有害性6位で、犬の体重1kgに対して10〜12㎎与えると死に至ります。
瞳孔が開く、喘ぐ、錯乱状態に陥る、頭を大きく振る、頻脈、動き回るなどの症状が現れますので、すぐに胃洗浄し、獣医師へ走りましょう。
※ 「塩酸メチルエフェドリン」を含有する具体例としてはエスエス製薬『エスタックイブファイン』、『新エスエスブロン錠エース』など。
これら以外なら大丈夫ということではありません。
獣医師は、人用の薬を転用する場合がありますが、獣医師が処方した(人用の)薬以外は、決して飲ませないようにしましょう。
また、人用の薬を愛犬・愛猫が誤飲することがないようにしっかり管理しましょう。