狂犬病の予防注射をしなければならない季節になりました。
狂犬病予防注射は、4月1日~6月30日までの期間にしなければなりません。
日本では、1956年(昭和31年)を最後に狂犬病にかかった人はいません。
猫が狂犬病にかかった例は、1957年が最後です。
しかし、2006年(平成18年)にフィリピンで犬にかまれた人が、帰国後に狂犬病を発症して死亡するという事例があります。
※狂犬病は、人から人には感染しません。
狂犬病は、死亡率100%で、世界では毎年5万5千人が亡くなっています。
動物から感染する病気として、狂犬病はよく知られています。
最近、2018年に猫から「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症」にかかった60代の女性が亡くなったということが報道されてから、動物由来感染症(どうぶつゆらいかんせんしょう)に注目が集まっています。
この女性は、屋外で3匹の猫にエサをあげているときに接触して感染したようです。
2016年には、マダニに感染していた野良猫にかまれて死亡した例もあります。
過度に恐れる必要はありませんが、
・ペットとのキスや口うつしをしない
・糞尿に触ったらよく手を洗う
・かまれないようにする
・ひっかかれないようにする
といったことで防ぐことができます。
<カプノサイトファーガ・カニモルサス>
動物由来感染症について詳しく書かれたサイトがたくさんあります。
しかし、このカプノサイトファーガ・カニモルサスというのは、あまり見かけません。
カプノサイトファーガ・カニモルサスという細菌が、犬や猫の口の中に常にいます。
かまれたり、ひっかかれたりして、感染・発症します。
症状は、発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などですが、免疫力が低下している人は重症化する傾向にあります。
発症例は少ないのですが、日本では致死率が4割以上ととても高くなっています。
<トキソプラズマ症>
ネコの便に含まれる寄生虫が人の体内に入ることで感染します。
健康な人は、トキソプラズマによる症状は、ほとんどまたは一切みられません。
しかし、妊娠中の人は、流産、死産、新生児に障害がおこることがあります。
また、免疫機能が低下している人がかかると、脳に炎症が起こることがあります。
便によって排出されたトキソプラズマの原虫が、感染能力をもつには24時間かかると言われています。
なので、ネコが便をしたら24時間以内に処理することが大切です。
妊娠中の方はあまり神経質にならずに、フンの処理は別の人がするとか、ネコとふれ合ったらよく手を洗うといった対策をとれば大丈夫です。
<エキノコックス症>
日本では、北海道のキタキツネが主な感染源です。
キツネの便に混じったエキノコックスという寄生虫の卵を摂取することでかかります。
潜伏期間は数年~数十年と長く、発症すると肝臓に障害をおこします。
野山に出かけた後は手をよく洗い、山菜などもよく洗ってから食べることが大切です。
<ネコひっかき病>
名前の通り、ネコにひっかかれたり、かまれたりして感染します。
ネコノミが寄生している子猫を飼育してる人で多発しているようです。
症状は、全身倦怠、発熱、頭痛、関節痛、ひっかかれた所がはれあがるなどです。
<回虫症>
犬や猫の糞便に排出された回虫の卵が、手や食べ物を介して摂取することで感染します。
症状は、発熱、咳、肝障害、視力障害などです。
子供が砂場などで遊んだ後、すぐにでも手を洗うようにさせる。
飼い犬・猫の駆虫をするといった対策が必要です。